マルチプレイで遊べるPvP特化のシューターゲームは、技術力やサーバー代の観点からもはや大手の会社しか作れないカテゴリになりつつある。
オンライン対戦ができる対人FPS&TPSは、個人開発者やインディースタジオなど、中規模以下の開発だとなかなか上手くいかないジャンルだろう。
(「BattleBit Remastered」という例外中の例外は除く)
今回は、シューターゲームで起きがちな問題点をまとめつつ、自分が理想的だと思うシューターゲームのアイディア(100%妄想)について考えていこうと思う。
- ◆最近のシューターゲームに感じる問題点と閉塞感
- ◆野良ソロvs固定PTの理不尽感を解決するには?
- ◆占領エリアは拠点じゃなくてマップ全域にすべき
- ◆妄想100%で理想の「神シューターゲーム」を考えてみる
- ◆個人的に苦手な要素&求めている要素
- ◆色を使った陣取り戦は特許的に作れない(はず)
- ◆色を使わない間接的な陣取り戦
- ◆願望
- ◆近況報告(私信)
▼暇な人は「続きを読む」から読んでみてね!
※記事末尾に軽く近況報告も書いておいた。
◆最近のシューターゲームに感じる問題点と閉塞感
カジュアル勢の自分がFPSやTPSをやっていて「このゲームつまらないかも…」と感じたポイントは以下の通りだ。
- 高所からの理不尽キル。
- 角待ちショットガン(待ち伏せ)による理不尽キル。
- 定位置の遠距離スナイパー(芋スナ・キャンパー)による理不尽キル。
- 固定PTが野良ソロ勢を虐殺する状況。
- 両軍が長時間睨み合う消極的な試合展開。
- スノーボール(ワンサイドゲーム)が起きやすい環境。
まず、これら6種のつまらない状況が起きるのはなぜか?を考えてみた。
- 既存のシューターゲームでは、「強ポジor拠点で待ち伏せする」「散開せず、とにかく集団戦をする」という行動が非常に強い。
- この絶対的なセオリーから上記のような問題が生まれてしまう。
たとえばFPSのドミネーションでは、先に占領拠点を確保し、そこから集団行動でキープするのが最強だ。
この鉄則はほとんどのシューターゲームで確認できる。
(だから、上記の問題点と遭遇する頻度が高い)
シューターゲームの絶対的なセオリーを全否定するような、「活発に動いた方が勝てる」「散開した方が勝てる」シューターゲームが出てきたら面白そうなのになぁ…と、心底思う。
◆野良ソロvs固定PTの理不尽感を解決するには?
散開した方が勝てるゲームなら、野良チームに所属するソロプレイヤーが固定PTを含むチームと戦う時のストレスは大きく減るだろう。
- そもそも、野良チームが固定PTを含むチームに負けやすい理由は「団体行動ができない」からだ。
- 野良チームは全員バラけて戦うから、団体行動をするPTが敵側に居ると、人数不利の局所戦が続いて負けてしまう。
- この前提をふまえると、野良でも気軽に遊べるゲーム=バラけて戦った方が勝てるゲームと言えるかもしれない。
しかし、既存のゲームでバラけて戦った方が勝てる対人シューターゲームはほぼ無い。
※有名なゲーム(CoD、BF、OW、ガンエボ)では勝つために団体行動を強いられた記憶があるし、だからこそソロプレイ時に固定PTとあたるのがすごく嫌だった。
◆占領エリアは拠点じゃなくてマップ全域にすべき
PTが有利すぎないゲーム(≒バラけて戦った方が勝てるゲーム≒ソロでも楽しめるゲーム)にするうえで一番大事なのは、占領エリアを数か所へ限定せず、マップ全体に広げることだと思う。
- FPSやTPSの占領ルールといえば、A・B・C拠点を占領し合うドミネーションが一般的。
- このようなルールでは当然、待ち伏せが頻発し、VCによる連携の差も生まれる。
この差は、使いやすいピンシステムがあっても覆せない。 - VCが当たり前になってきた現状、古典的なドミネーションやペイロードは時代遅れになりつつあるのではないか?と個人的に感じる。
例えば、現代なら、スプラトゥーンのように「エリア全体を各自が自由に取り合うドミネーションルール」の方が万人受けすると思う。
なぜなら野良チームで起こりがちな「散開しながらの局所戦」といった弱い行動が敗因にならず、むしろ勝因になるからだ。
(マップ全域が占領可能だと、1ヵ所で固まる固定PTムーブは相対的に弱体化する。
※団体行動&待ち伏せによる一方的なキルを量産できても、陣取り不足で敗北するような状況が起きるため)
スプラトゥーンが新鮮なゲームとして大ヒットしたのは、従来のシューターゲームと比べて、マップ全域を好き勝手に占領していける部分が楽しかったからかもしれない。
- オーバーウォッチ登場後から、対人シューターゲームの世界には重たい閉塞感が漂っている。
- だからこそ今までにないバトルロワイヤル系の「PUBG」「APEX」や、ドミネーションの概念をぶっ壊した「スプラトゥーン」にハマる人が多かったんだと思う。
◆妄想100%で理想の「神シューターゲーム」を考えてみる
- 【個人的に面白く感じるゲームの要素】
①古典的なFPS・TPSのチームシューター要素。
②スプラトゥーンっぽい陣取り戦の要素。
③ランダムなドロップアイテムによる強化要素。
④MOBAのように個人戦から団体戦へ変化する試合展開。
⑤ロードアウト(デッキ)で戦闘スタイルを自分好みに特化させるビルド要素。
⑥アニメ調グラフィックで動く可愛い美少女キャラ。
⑦アバター着せ替え要素。
⑧シューターゲームあるあるのストレス要素が気にならない。
この①~⑧の条件を満たすカジュアル系シューターゲームならぜひ遊んでみたいと思う。
条件をふまえて、具体的にゲームとしての仕様を妄想した結果が以下の図だ。
※キルタイムは低~中くらいで、6vs6のチーム戦を想定している。
(もっと人数を多くし、ビルドの有利不利が気にならないお祭りゲーにしても楽しそう)
▲試合序盤は、好き勝手に散らばり、歩いて陣取りしながら局所戦を行う。
でも、試合終盤になると残り少ない白紙エリアで集団戦や連携を楽しめる仕組みだ。
- 冷静になってみると、スプラと違って陣地の上書きが難しいから、キル後に死体が陣地を塗り変える仕様は不要だったかも。
たぶん、有利な状態で突撃死(=陣地を敵へ贈呈)する人がトロール扱いされ、結果的に両軍睨み合いの面白くない状況が増えてしまう。 - 陣地を白紙に戻すアイテムは必須だと思うけど、扱いを間違えたらスノーボールを生みかねない危険なアイテムでもある。
いっそ特殊アイテムとは別の枠にして、負け状態でしかドロップしない縛り&負けチームしか使用できない縛りを入れた方が良いのかな?とも思う。
…とまあ、個人が考えても全く意味が無いことなのに、いざ「理想のゲームって何だろう」と考え始めたら、思ったより妄想が広がって楽しくなってしまった。
やっぱり、ゲームをやっていて感じる不満は、「こんなの自分が理想とするゲームとは違う!」というワガママな感情から生まれるものだ。
- ゲーマーは、もっと「ぼくのかんがえたさいきょうのかみげー」論をネットへ晒すべきではないだろうか。
- 誰しも「こういうゲームが遊びたい」という理想形は絶対あるはずなのに、その理想形についてガッツリ語る人が少ないので悲しい。
◆個人的に苦手な要素&求めている要素
ところで、陣取りゲームというジャンルを作った「スプラトゥーン」は本当に良いゲームだと思う。
ただ、個人的には陣地をいつでも上書き可能できることや、遠隔からでも陣地を塗れることが好きじゃなかった。
スプラが歩いた場所だけ陣地にできるゲームだったらドハマりしたかもしれない。
- 死ぬくらいなら1歩でも前へ出ろ!敵より早く陣地を広げることが正義!さっさと突っこめ!というノリの脳筋バカ(※褒め言葉)や突撃厨が集うゲームで遊びたい。
- 既存のゲームならBFが近いけど、①強い乗り物がある点・②歴史が長い点・③芋スナや角待ちを好む古参勢が多い点・④グラフィックがリアルすぎる点など、苦手な要素が多くて合わなかった。
- 欲を言えば、チーム全員で突撃するお祭り陣取りTPS+アニメ調美少女グラフィックの神ゲーが出てきてほしい。
- いろんなシューターゲームをやってみても、芋スナ・角待ちSG・敵の固定PT・膠着した睨み合い・高所キャンパーには心底ウンザリする。
- シューターゲーあるあるのストレス要素に疲れたカジュアル勢が楽しく遊べる新作ゲームは少ない。
もっとカジュアルなシューターゲームが増えれば良いのに、と思う。
※前項で書き忘れたけど、高所からキルしてもキルポイントは全然稼げない仕組みにして、高所キャンパーを絶滅させるのも良さそう。
高所はただでさえ索敵にも移動にも有利なポジションなので、「高所をとって攻撃するのが最強」というシューターゲームの悪しき慣習は潰すべきだと勝手に思っている。
強ポジじゃない高台…たとえば奇襲用ルートとして使える高台が存在したら面白いけど、実際は高台を取って殺しあうのが最適解になるゲームばかりで食傷気味だ。
◆色を使った陣取り戦は特許的に作れない(はず)
- ちなみに、スプラトゥーン(任天堂)は色を使った陣取り戦の特許を取っている。
そのため、その特許が切れるまで類似の陣取りゲームは出てこないと思う。
【→参照URL:特許庁で公開されているスプラトゥーンの特許まとめ】 - 広範囲に影響を及ぼす特許だから、他社が陣取り戦ゲームを作るのはほぼ不可能かも。
- 陣取り戦ゲームという伸びしろしか無いジャンルの開拓は、任天堂に頑張ってもらうしかない。
早くスプラトゥーン以外にも別方向の陣取り戦ゲームを出してほしい。
◆色を使わない間接的な陣取り戦
任天堂の特許に接触しなさそうな代案を考えるなら、陣地ペイント型(直接的な陣取り戦)をオブジェクト争奪型(間接的な陣取り戦)にすることだろうか…?
例えば、戦闘マップ上に特殊オブジェクト(コインや旗など)をたくさん設置し、その特殊オブジェクトに触ってポイントを集めたりキルしたりする陣取り風シューターゲームがあったら面白そう。
(※どちらにせよ「各自動き回りながら戦った方が強い」という大事な部分は一緒だから、オーソドックスなシューターゲームより新鮮に楽しめる気がする)
- 概念としては、PSO2というゲームにあったチーム対抗のコイン争奪戦PvP「バトルアリーナ」が近い。
- PSO2のコイン争奪戦はやったことがあるけど、あくまでおまけのミニゲームだから、FPS・TPSほどのやりがいは無かった。
(また、装備をマップで拾うシステムが浅すぎてすぐ飽きてしまった) - しかし、あれに①シューター要素・②特殊アイテムのドロップシステム・③ビルド要素(アイテム単体やカテゴリに対するドロップ率上昇カード)など、独自要素を山ほど追加したら面白くなりそう。
◆願望
- スプラトゥーンのナワバリバトルに関する特許が切れた後、陣取り系シューターゲームがどんどん開発されたら良いなぁ…と思う。
- もしくは、どこかの超大企業が、特許使用料を払って陣取り系シューター開発に挑戦してくれますように…!
- 1番理想的なのは、もちろん任天堂がスプラトゥーンとは別の新感覚陣取りゲームを作ってくれる未来だ。
ChatGPTの登場で時代が変わりつつあるなか、ネットに妄想のアイディアを晒すのは無意味な行動とも言い切れなくなっているのでは?と思い、正直恥ずかしいけど文章にまとめてみた。
面白いゲームのアイディアを探している人達へ、ChatGPTが素人視点の率直な欲望を届けてくれたら嬉しい。
(ゲーム開発中に方向性で悩んだ時、具体的なアイディアやブラッシュアップの方法をChatGPTへ問う人は居るはずだし、そうすればもしかしたらネット上の駄文をChatGPTが参照してくれるかもしれない…)