原作未プレイの新規勢が「GRANBLUE FANTASY: Relink(グランブルーファンタジーリリンク)」で遊んだ感想をレビュー記事としてまとめてみた!
※あくまで個人的な評価であることを念頭に置いて読んでね!
メインストーリーのネタバレも含むので要注意。
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◆グラブルリリンクの長所(面白い部分)
リリンクは総合点をつけるとしたら90点~95点くらいのかなり面白いゲームだと思う。
- 「買うか迷っているなら今すぐ買おう!」とオススメしたくなるくらい完成度が高いアクションゲーム。
- 攻撃スキルやビルド要素がもっと豊富で、なおかつストーリーの面白さにもこだわっていたら100点満点の神ゲーだった。
①ボス戦やアクションの楽しさ
MMOのレイドボスみたいなボス戦だけガッツリ楽しめるからすごく楽しい。
※フィールド上で素材集めに勤しんだり、格下の敵を狩り続けたりする必要は無い。
- 赤床攻撃や特殊ギミックを回避しながら戦うのが面白かった。
- 魔法キャラなど、モンハンに居ないタイプの特殊キャラがたくさん居るのも高評価!
- ジャストガードやジャスト回避で強化効果が発生するため、アクションゲームとして楽しい。
(しかも装備によってどんな強化効果を発生させるのかカスタマイズできる) - アクションが苦手な人でも、遠距離キャラに回避OP・防御OP・生存OPなどを装備すれば楽しめるゲームに仕上がっている。
腕前を問わず誰でも遊べる一方で、ちゃんと奥が深いアクションゲームだと感じた。
- ボス自体の挙動も工夫が凝らされていると思う。
- 状態異常で難易度を誤魔化すようなストレス型のボスは少なく、アクション自体を楽しめる挙動やギミックが多かった。
- 上達するとどんどん被弾も減っていき、攻撃を挟むタイミングが分かってくる。
- 装備が変わらない場面でも自身の「成長」を感じて楽しめる。
(2回以上戦う色違いボスが複数居るものの、長時間飽きずに楽しめた)
▲ボスの解説動画を見れば分かるけど、ギミックや挙動が丁寧に作られていて面白い。
②モンハンより低ストレス
広大なフィールドを走り回らなくて済むし、1戦がモンハンより短いのでサクサク気楽に遊べる。
あと、瀕死になってからエリアチェンジで引き延ばされることが無いため、とにかくテンポが良い。
(ボス登場&退場時に再生されるムービーと必殺技のムービーだけテンポが悪いので何とかしてほしい)
③無限周回を強いられない
リリンクは多キャラ育成を前提としたシステムなので、モンハンよりレア素材が集めやすいのも良い。
(全キャラを完成させようとしたらモンハン並かそれ以上に大変だと思うけど、1キャラだけならとてもライトに遊べる)
- モンハンと違い、装備や工夫次第でNPC頼みのオート周回もできる。
- 同格以上の敵は当然オート周回出来ない(格下狩りだけオートで周回することになる)ため、ゲームの楽しさを損なわない程度に便利なシステムで良いと感じた。
④マルチプレイや連携が楽しい
3回死んだら失敗判定になるモンハンと比べ、リリンクは10回死んでもクリアできるほどの低難易度ゲーになっている。
「他の人に迷惑をかけるかも…」という心配とは無縁だから、気楽にマルチプレイが楽しめる。
- どのキャラも回復スキル・バフスキル・デバフスキル・拘束スキルの内どれか1つは装備できるため、MMOに近い協力プレイが楽しめて最高!
- 他人の必殺技に合わせて自分の必殺技を使ったり、リンクアタックを4人で合わせたり、連携技で戦うのが新鮮で楽しい。
⑤グラフィックやBGMが良い
リアルすぎず、原作のイラストを忠実に再現した3DCGがとても美しかった。
あと、空を舞台にした物語だからか、空の描写がやたらと綺麗で印象的だった。
BGMは全体的に高クオリティ。
特にマナガルム戦やイド戦のBGMは素晴らしいし、火竜&風竜の8bit風BGMも好き。
- バハムート戦の謎ボーカル入り曲だけ微妙だったけど、こればかりは好みの問題なのかも。
- かっこいいドラゴンとの壮大な戦闘なのに、耳元で特撮っぽいボーカル入りの歌を流されるのがダサすぎて個人的にめちゃくちゃ萎えてしまった。
- 勇気爆発バーンブレイバーンみたいなノリの歌が流れるせいで大事なボス戦の雰囲気が台無しに…。
(聞く人によっては正反対の高評価になるんだろうけど)自分は普通にギター+ドラム+弦楽器+管楽器+ピアノ+コーラス+パイプオルガン+シンセ+αの荒々しい戦闘曲が聞きたかった。 - どうやら歌入りBGMは原作版グラブルにもある伝統的な要素らしい。
原作みたいに英語多めの歌ならまだしも、リリンクは日本語多めの歌だから違和感が強くて新規勢にはついていけないノリだと感じた。
⑥やりこみ要素が豊富
キャラツリー強化・武器強化・ジーン厳選・限界突破の厳選など、やりこみ要素がとにかく豊富なので、メインストーリーの短さは全然気にならない。
⑦動作の安定感
致命的なバグやラグは見当たらず、ストレスを感じずにプレイできた。
◆グラブルリリンクの短所(つまらない部分)
①武器が少ない
武器の種類が少ないうえに更新間隔もかなり長いため、序盤は結構つまらない。
(※中盤~終盤でジーン枠が増えると一気に面白くなってくる)
メインストーリーをクリアするまで、長いチュートリアルをやっている気分になる時があった。
②ストーリーが添え物
- アクションゲームとしてはほぼ満点だけど、ARPGとして考えるとストーリーの微妙さが目立った。
- スタッフロールまで13時間前後で終わるため、他のRPGと比べたらボリューム自体も少なめだと思う。
- クリア後の難易度解放・新ボス戦・覚醒武器強化・ジーン厳選や限界突破厳選を楽しんでいる身からすると、特にボリューム不足とは感じていない。
フルプライス分の面白さは十分味わえた。
(※ただし、クリアまで数十時間かかるようなストーリー重視の大作RPGを好んでプレイする人だと満足できるか怪しいライン)
ストーリー重視のプレイヤーなら、テイルズやペルソナの方が合うかも?
逆にテイルズよりアクション性が高いゲームをやりたい人やモンハンなどの狩りゲーを好むプレイヤーなら絶対ハマると思うからオススメ!
③アビリティ(キャラのスキル)が少ない
1キャラにつき8個のスキルしか無いし、スキルツリーによるスキル強化もオマケ程度の内容なので、スキルビルドを組む楽しさはほとんど無かった。
④主人公が固定枠
性能も見た目も好きじゃない主人公で4人PTの内の1枠を潰されるのが嫌だった。
(※メインストーリーさえクリアすれば主人公を外せるものの、逆に言えばクリアするまでは使わなくなると分かっている主人公を育成しなきゃいけない)
それなりに育成の手間がかかるゲームだし、最初から自由に好きなキャラだけのPTを編成したかった…。
⑤戦闘中の敵ムービーが面倒
敵の登場&退場&必殺技ムービーは1回見ていてもスキップできない仕様なので、せっかくサクサク周回できるゲームなのにムダなところでストレスを感じた。
⑥街の全体地図が無い
街の要所へワープできるのは良いけど、サイドクエストを受ける時に地図が無くて困った。
⑦ダメージ上限と言う概念
「ダメージ上限」という概念は、ジーンビルドの自由度を落とすし、詳細が分かりにくいからあまり良くない概念だったかも。
◆ストーリー(シナリオ)の不満点まとめ
ストーリーはアクションの楽しさを邪魔しない程度に無難な内容だと思う。
正直に言えば、クリアした時点でも面白くて印象に残った部分を挙げることができないほど薄味のシナリオだった。
- 個人的な嗜好と合わなかった部分は多いけど、TOZのように誰が見ても明らかにクソだった部分は無いと思う。
- キャラの「成長」「努力」「葛藤」を伝える描写があまりにも少ないので、個人的には好みじゃなかった。
(ストーリーに沿って駒のように淡々とキャラが動くから、王道展開らしい熱さを感じられなかった…) - シナリオには不満がある一方、ムービーは高クオリティで美しかった。
総合すれば「印象に残る面白さより、クソと呼ばれない無難さを求めた味気ないシナリオ」という感想になる。
ストーリーは本当に添え物(お弁当の漬物レベル)だから、アクション要素に惹かれた人が買うべきゲームだと感じた。
※以下では、個人的に不満だった部分を書いていく。
【イドとルリアの関係性が描写されていない】
- リリンクのシナリオを読んで1番不満だったのは「イドとルリアの関係性が一切描写されていない」ことだ。
イドはストーリー中の最重要キャラなのに、行動原理が全く見えてこない。
恋心からルリアへ味方するようになったと解釈するにしても無理がある。
(封心具をつけられたルリアは人形同然の状態だけど、そんな彼女にイドが惚れることはあり得るのだろうか…?)
- もしイドが人形状態のルリアに惚れるとしたら、一目惚れという理由しか無いだろう。
- この場合、「内面ではなく外見だけ見て女に惚れる男」という解釈が発生する。
- あの見た目と性格なのに、ただのむっつりスケベで上司(義母)や同僚を裏切ったのであれば、がっかりせざるを得ない。
イド>ルリアの心理描写が少なすぎて、自分にはそうとしか解釈できなかった。
あまりにもイドというキャラが不透明すぎて理解できない。
【敵側のキャラ(幹部)が弱い】
リリスやイドはまだマシだけど、敵の幹部(ガランツァ・マギラフリア)に関しては口調と外見以外の個性が全く感じられなかった。
- どんな境遇に生まれて、どんな過去があって、どういう思いでリリスに従っていて、何を目標として生きている人間なのか?
…こういったリアルな情報はほぼ描写されないため、ただ主人公と戦い敗走するためだけに居るキャラとしか思えなかった。 - 描写不足から来る敵キャラの薄っぺらさが目立っていてイマイチ感動できない。
- 選択肢や行動によってシナリオが分岐するわけじゃ無いし、ゲームである必要性を感じないシナリオだった。
- プレイヤーの予想を上回ってくる面白い展開&意外な展開は無い。
(唐突すぎて不可解なイドや敵幹部の離反など、悪い意味で期待を裏切られた部分はある)
フェイトストーリーのような形で良いから、何かしら敵サイドの事情も掘り下げてほしかった。
【敵に信念を感じない】
- ストーリー終盤で敵の幹部たち(イド含む)が突然リリスを裏切り主人公サイドへ加勢する展開になる。
- この展開には、感動よりも先に疑問と失望が発生した。
- 「え?やたら猛者ぶってたけど強い奴に従う蝙蝠キャラだったの?その程度の浅い覚悟で戦ってたの?」とがっかりしたのは自分だけじゃないと思う。
どうせならリリスがどんな選択をしても一緒に破滅へ突き進むくらいの覚悟を持った悪役で居てほしかった。
「世界が危険だから(?)」という至極真っ当な理由で主人を裏切るような悪役幹部に信念や魅力を感じられない。
- 主人であるリリスの甘い言葉に騙されて思考停止状態で従い、いざ真実や危険性を理解したらあっさり主人を裏切るような軽い従者たちに見えてしまった。
- 敵役なら「自分なりの信念を持った格好いい悪役」「悲しい過去があり闇落ちした悪役」「生まれながらの悪役」のどれかであってほしい。
- リリンクの敵幹部はどれでもなく、ただ「自我が無く簡単に自分の命を誰かに預ける信者」だと感じた。
真意すら察せられないほど遠い関係の相手にホイホイ従うことができる時点で、自我を持たない小物っぽいキャラに見えてしまう。 - 命がけで戦うのに、リリスの真意を疑うこともなく妄信的に従う幹部たちが段々アホの子に見えてくる。
(※イドだけ葛藤する描写があるけど、嫌がる少女を捕獲する行為自体への葛藤というより、ルリアへの好意から葛藤しているように見えたのでノーカウント)
「主人の真意を理解したうえで、それでも恩義や大義のためにリリスを支える従者」という構図の方が悪役としては魅力的だったと思う。
世界を捨ててでもリリスに従うくらいのガンギマリ系狂信者で居てほしかった。
【味方のキャラ描写が薄い】
敵に比べたらフェイトストーリーがあるのでまだ良いけど、やっぱりキャラの掘り下げは弱い。
- ローランはキャラをさほど掘り下げないうちに「実は星の民です」とだけ教えられたので、いまいち納得しにくい。
- 「異世界人が現地人に絆されて現地人側につく」+「同胞と対立する」という設定は好物だけど、手記だけでは描写不足すぎて感動も感情移入もできなかった。
テイルズにおけるスキット機能のような会話イベントがあれば、キャラの魅力や関係性を感じやすかったかも。
- 原作(ソシャゲのグラブル)をプレイしていないと、ストーリーや味方キャラには惹かれづらいと思う。
- 新規勢視点だと、シナリオのクオリティはクソでも神でもなく微妙寄りの普通。
- アクション要素は文句のつけようが無いくらい面白い!!!!!