今回はサービス開始後すぐに①過疎②爆死③衰退の3コンボを喰らってしまうゲームの特徴を考察していくぜ!
ゲーマー目線だと新作ゲームに対して「この要素さえ無ければ人気が出ていたはずなのに!」と感じることが最近多いので、いろいろなゲームを遊んできた実体験から勝手にまとめてみた。
(ブルプロがこの10項目に該当していませんように…!)
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◆PC系MMOや対戦ゲームが過疎る10個の原因
めちゃくちゃ個人的な意見だけど、今から紹介する10項目のどれか1つ以上を満たしているゲームは爆死しやすいと思う。
(※もちろん異論は認める)
【とにかくバランスが悪い】
オンラインゲームでは、特定のキャラが明らかに強い状況を放置し続けると不公平感が生まれて過疎りやすい。
人間というのは、強いキャラを1回でも触ってしまったら、その後もう弱いキャラを触る気になれない生き物だ。
もし10キャラ遊べる状態でも、実質1キャラしか使わない(※使えない)環境だと飽きるのが早くなる。
だから、特定のキャラだけが強い状態を放置すると、コンテンツの消費速度も一気に上がってしまう。
- すぐにバランスが改善できない状態だったとしても、「できるだけ早くバランス調整を行う」と発表するだけでプレイヤーの離脱を多少防げるので、迅速に対処してもらえると嬉しい。
- でも、実際は、バランスの悪さについて沈黙したまま、手遅れになってから慌てて雑な弱体化修正をする開発が多くて残念…。
特に対戦ゲームだと、不快度が高いキャラ(スタン系、状態異常系、ワンパン系、アサシン系、ステルス系、狙撃系、後衛狩り系)の弱体化はやりすぎくらいでちょうど良い。
MMOだと、レベリング~金策で有利な超広範囲キャラや、遠距離キャラの強さがバランスを乱しやすいように感じた。
これらのキャラは、他のキャラを使っているプレイヤーに不快感や不平等感を与えやすいのも問題。
(悪い例:ガンエボ、ELYON、ヒーロー実装直後のPSO2)
【サービス開始時のコンテンツ不足】
「最終的に1~2種類のコンテンツをやり続ける」タイプのゲームは飽きが早く過疎りやすい。
- 【MMO】
成長した後にゆるく遊べるコンテンツが3種類~5種類くらい必要。 - 【対戦ゲーム】
サービス開始時でも5~10マップ前後ないと厳しい。
(悪い例:PSO2NGS、Warlander)
【高難易度コンテンツを実装する】
国産MMOとしておそらく一番人気がある「FF14」は高難易度コンテンツで有名だけど、今から出すオンラインPCゲームは誰でも遊べる程度の難易度にした方が良さそう。
※高難易度コンテンツが好きなタイプのゲーマーは、人口が多く女子も多い(=出会いも多い)と噂のFF14をやっているように感じるので…。
- 今のMMOにおいて高難易度コンテンツを実装するメリットはかなり少ないと思う。
ゆるく遊んでいる人は高難易度コンテンツの実装を受けて引退する可能性も十分あるし、マウント勢が増えてゲーム全体の民度やSNSの民度まで悪くなりがち。
(悪い例:ロストアーク、メイプル2)
【日課が重たい/試合時間が長い】
サブキャラ金策・サブアカ金策・多重起動金策を推奨するようなシステムだと、一般人層は当然ついて行けないのでプレイヤーの大半が消えてしまう。
そもそも、今は「タイパ(=タイムパフォーマンス)」という言葉もある時代だから、毎日1時間の日課でも脱落する人が結構多い。
15分~30分で全ての日課が終わるゲームならわりと過疎りにくいはず。
- 日課の話じゃ無いけど、対戦ゲームは1試合5分~10分くらいの試合時間が無難だと思う。
- 例えば1日30分しかゲームできないとして、その30分がボロ負け試合で浪費されたらプレイヤーはどう感じるか考えてみて欲しい。
- 短時間しか遊ばないプレイヤーに「超楽しかった!また今度遊びたい!」という印象を与えるためには、1戦あたりの時間を短くして回転率で誤魔化す必要がある。
※短時間でサクサクまわせるゲームならボロ負けしても嫌な気持ちにならないし、数をこなせば楽しい試合や接戦も発生しやすくなる。
(悪い例:古のMMO全般、ロストアーク、メイプル2)
【Time to Winすぎる】
やればやるほど強くなれるT2Wのゲームは、後発組の初心者が入ってこないから過疎りやすい。
長時間やらないと報酬が貰えないようなコンテンツの報酬は、レア装備ではなく、貴重なスキンや珍しい実績(称号・バッジ)などに留めておく方が良いと思う。
(悪い例:古のMMO全般、Warlander)
【Pay to Winすぎる】
「無課金でもコンテンツを十分楽しめるけど、他人に装備や見た目(スキン)でマウントを取ろうと思ったら課金が必要」くらいの塩梅が日本人にはベスト。
- 無課金勢が主要コンテンツで「寄生」「地雷」と言われてしまうようなゲームバランスは過疎りやすい。
- 逆に、課金者は周囲にマウントを取りたい人が多いので、無課金者を優遇しすぎて課金者がバカにされるような雰囲気になってしまうのも危険。
マウント欲を煽れないようなMMOなら「1~2キャラを極める分には無課金でもOKだけど、複数キャラ育てようと思ったら課金が必要」という課金スタイルが合うかもしれない。
(悪い例:古のMMO全般、幻塔)
【不正行為を取り締まらない】
チーターやバグ悪用(無限増殖バグなど)のせいで過疎ったゲームはとても多い。
こういった不正行為はしっかり取り締まってほしいし、BANした時に公式サイト上でプレイヤー名を公示した方が良いと思う。
- ちゃんと取り締まっているのにプレイヤー側から「ろくに取り締まっていない」と受け止められる状況は一番まずい。
(悪い例:FPSゲーム全般、古のゲーム全般)
【CS版が無い/サービス開始が遅い】
大前提として、CS版を出さないゲームは入り口が狭すぎて失敗しやすい。
あと「PC版もしくはCS版を後から出す」というゲームも失敗しやすい。
- 基本的にPC版とCS版は同時にリリースした方が良いと思う。
先に出たバージョンで悪評が広まれば後発のバージョンにも影響するし、話題性が薄まってTwitterのトレンドに入りづらくなる。
(悪い例:ガンエボ、Warlander)
【CS版とのクロスプレイができない】
対戦ゲームだと、PC版⇔CS版のクロスプレイができない場合、片方の人口が減った時に過疎を誤魔化せずそのまま死にがち。
もちろん、エイムアシストやデバイス差などの問題も出てくるから、ランクマッチをPCとCSで区別するのは別に構わない。
でも、ランクがかからないカジュアルマッチくらいはクロスプレイに対応しても良いと思う。
クロスプレイのON/OFFは設定欄からプレイヤー側が選べる方式にしたうえで、カジュアルマッチをクロスプレイ対応にするのが一番理想的。
(悪い例:ガンエボ)
【ランクマッチが厳しすぎ/緩すぎ】
対戦ゲームならランクマッチがあって当然の時代。
(※いままではランクマが無かったCoDですら、ここ最近いきなりランクマを実装した)
対戦ゲームの世界では「ランクマッチ」がメインコンテンツになってきている。
これは、SNSの発達により、高ランクであれば他人から褒めて貰えることも多くなったためだと思う。
対戦ゲームだと特に、「ランクマッチをメインコンテンツとして楽しみたい」と考えるゲーマーはとても多い。
ただ、大人気ゲーム以外はランクマッチ人口を維持するのがめちゃくちゃ大変で、ちょっとでも調整を間違えれば一気に過疎る。
個人的な意見だけど、ゲームの規模が小さければ小さいほどランクを上げやすくしておく必要があると感じた。
マイナーゲーなのにランクマッチのレート増減を厳しくしすぎると、苦労のわりにメリットが少ないので人口を確保できない。
そして、ランクマッチ全体の人口が少ない場合、初心者に上級者orスマーフをぶつける格差マッチングが頻発してどんどん過疎ってしまう。
ランクマッチが死んでいるレベルのゲームを本気で頑張る人は少ないから、ランクマッチの過疎はゲーム全体の過疎に繋がると考えた方が良い。
- 厳しめのレート増減(1勝+50・1敗ー50など)にすると「どうせ苦労してランクを上げるなら、より多くの人から認めて貰えて、ストリーマーや動画投稿者への道も開ける大人気ゲームがやりたい」と考えるプレイヤーを増やしてしまう。
- 逆にゆるすぎて「長時間やっていれば誰でも最上位まで上がれるランクマッチ」にするとつまらないので過疎る。
- 「コツコツ頑張れば中位までは楽に上がれるけど、上位を目指そうとすると人並み以上の上手さが必要」くらいのバランスが一番求められているのかも?
(悪い例:ガンエボ、Warlander)
◆国産PCゲームの問題点
①テスト鯖を開かない
個人的に海外ゲームと比べて一番不足を感じる部分。
国産オンラインゲームの大半は、テスト鯖(PTS=パブリックテストサーバー)でプレイヤーからのフィードバックを集めようとしない。
※ここで言うテスト鯖とは、「大型アプデ前に新パッチの内容を試せるテスト鯖」という意味。
国産ゲームは、テスト鯖を挟まずに、いきなり環境が一変するような大型アプデをぶちこむせいで大失敗しがち。
あと、あらかじめプレイヤーが触っていれば一瞬で見つけて報告できるようなバグも大型アプデ後に発覚するため、修正対応が後手にまわってしまう。
(どのゲームも一番のデバッガーはプレイヤーなので、多少アプデの新鮮味が薄れたとしても、プレイヤーに触ってもらってバグや反応を見た方が良いと思う)
「このアプデ、ちょっと攻めすぎじゃないか?」と思ったらテスト鯖でプレイヤーの意見を聞いてから慎重に実装してほしい。
- Steam内で長く続いているタイプの海外ゲームは、大型アプデ前にPTSを行い、しっかりプレイヤーの意見を反映したうえで丁寧にアプデするゲームが多め。
一例としてはPUBG・ディビジョン2・Paladins・コンカラーズブレードなど。 - また、Steamじゃ無いけど、世界で大人気のMMO「World of Warcraft」でもPTR(Public Test Realm)という名称のテスト鯖を開くことがあるようだ。
②開発(および運営)の情報発信が少ない
これはWarlanderを見ていて感じたことだけど、小中規模の開発は「今後どうアップデートするつもりか」「今どんな調整に取り組んでいるか」「どのような問題を認識しているか」などの情報発信が足りていないように感じる。
開発の規模的にしょうがないことだとは思うけど、やっぱりプレイヤー目線だと何を考えているのか不透明な開発は信用できない。
「悪い所が全然改善されない」「良いアプデやイベントを期待できない」と感じてしまう状況が続けば引退者も当然増える。
実際、Warlanderを楽しんでいたプレイヤーの一部は、沈黙続きの開発に萎えて引退していった人が多そうに見えた。
海外だとフレンドリーな開発も多いので、失言だけ十分注意してもっと情報を発信してもらえると嬉しい。
③見切り発車でサービスを開始する
国内ではPSO2NGSやWarlanderなど、まだコンテンツ不足の状態なのに見切り発車でサービスを開始してしまいプレイヤー確保に失敗するゲームが多い。
(※たぶん大人の事情が色々あってどうしようもないことなんだろうな…とは思う)
ゲームの面白さや個性が優れていても、一度プレイヤーに悪い印象を与えてしまうと後から挽回するのがめちゃくちゃ大変なので、サービス開始時には次のアプデまでがっつり遊べるスルメコンテンツを用意しておいて欲しい。
- 特にSteamゲームは、レビューで最初に「やや不評」と評されるだけで、かなり警戒するし買う気が起きにくくなってしまう。
- 対戦ゲームやMMOも、ひどい状態でサービスを開始すれば動画サイト上に批評動画が投稿されまくり、ゲームを触ったことが無いゲーマーにまで悪名が轟いてしまう。
その状態でいくら宣伝しても効果は出づらい。 - ワイルドハーツなど国産PCゲームは最適化不足でSteamレビューを荒らされがちな印象だから、見切り発車せずに細かい調整まで頑張ってほしいところ。
④中途半端な方向性
ここ最近の人気ゲームは、①完全に万人受け特化のタイプ、②特定のプレイヤー層を極端に狙い撃ちしているタイプ、③唯一無二のゲーム性を持つタイプに分類できると思う。
(①はスプラトゥーンや桃鉄、②はエルデンリング、③はホグワーツレガシーなど)
どれもステータス振りで例えるとバランス型というよりは特化型のゲームが多い。
逆に、低評価されがちなゲームは、より多くの人に触ってもらおうとしすぎてターゲットが絞れていないように見える。
- 【Warlander】
過疎ったら即終了の多人数お祭りPvPゲームなのに、ライト層と相性が悪いT2W要素を入れてしまって中途半端な方向性になった。 - 【ガンエボ】
FPSファンとガンダムファン、両方の確保を狙ってしまい失敗した印象。
FPS勢にはガンダムの見た目や暴れまわる格闘機が不評だし、ガンダム勢にはFPS要素が不評。 - 【エグゾプライマル】
OBT時点の感想だけど、PvPvEと謳っていながら、PvEとPvPを雑にくっつけただけのゲーム性でいまいちだった。
(フルプライスということもあり、中途半端に良いとこ取りしようとせず、PvPかPvEのどちらかに特化させた方が良いと思う…)
ちなみに国産ゲーム以外だと、メイプルストーリー2も可愛いグラフィックで集めたプレイヤーに難しいギミックばかりのメインコンテンツを強制したせいでサ終していた。
中途半端でちぐはぐなゲームより、特定の層が絶対触りたくなってしまうような弱点特攻ゲーの方が伸びしろはありそう。
⑤Twitchへの理解度が低い
Twitchは海外でとても知名度がある配信サイトだけど、国産PCゲームの場合、Twitch Dropsというイベントをサービス開始と同時に開催しているタイトルはほぼ無い。
それに対し、海外ゲームの大半(ホグワーツレガシー、Overwatch2、原神、幻塔など)は定期的に豪華なTwitch Dropsイベントを行ってTwitchでの知名度を上げている。
日本以外では、サービス開始と同時にTwitch Dropsイベントを開催するゲームが多い。
でも、国産ゲームだとTwitchの海外有名配信者に案件配信を依頼しているのはよく見る一方、なぜかTwitch Dropsイベントがほとんど開催されない。
数年前と違い、日本のゲーマー内でもTwitchの存在感が強くなってきている現状、ここの差はすごくもったいないように感じる。
特に海外受けを狙うなら、Twitch上での知名度アップに繋がるようなイベントの開催は大事だと思う。
ガンエボのように人口が減ってからDropsを開催しても界隈外部への宣伝効果が低いから、できるだけサービス開始と同時にDropsを開催するべき。
(ガンエボのdropsは開催が遅すぎてガンエボプレイヤーしか見てない状態だけど、もしサービス開始時に開催していればより多くの海外ゲーマーに興味を持ってもらえたかも)
- 直近だと洋ゲーFPS「Xdefiant」はβテストのプレイ権をDrops報酬(30分視聴時の報酬)として配布し、一時的にCoD超えの総視聴者数【→参考】を叩き出した。
- ※事前登録を逃したプレイヤーがこぞってTwitchを視聴した結果、Twitch内で総視聴者数上位のゲームになり、「何この知らないゲーム…話題性すごい…超盛り上がってる新作ゲームなのかな?」と興味を持つ海外ゲーマーが急増した。
あと、ベータ参加者全員に友達招待枠を5個配布していて話題作りが上手かった。 - 海外ではTwitchの総視聴者数で覇権ゲームかどうかを判定している節もある。
- 日本と違い、海外での話題作りにはDropsを活用した方が上手くいくと思う!