ようやくルーンファクトリー5をメインストーリークリアまでプレイし終わったから、メインシナリオに対する個人的な感想(主に不満点)をまとめていくぜ!
- まだ全部クリアしていない人はネタバレ注意!
- ストーリーおよびルーカスに対するネガティブな内容を多く含むので、ルンファク5のストーリーが面白かった!と思っている人&ルーカス推しの人は絶対に読まないでくれ。
- 「ストーリーはいまいちだったけど、ゲーム面(戦闘/農業など)がちゃんとルンファクらしい仕上がりになっていて面白かった」というのがルンファク5クリア直後の個人的な感想だ!
- ルンファク5自体は歴代ファンなら思い出に浸りながらガッツリ楽しめるゲームに仕上がっててオススメ。
(※シリーズ初心者は4SPから遊ぼう!)
俺は今までルンファクにストーリーの面白さは一切求めてないつもりだったけど、今作のストーリーは一部あまりにも気になる点があったので、個人的な不満をまとめていこうと思う。
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◆不満1:リヴィア署長以外の登場頻度が低すぎる。
ルンファク5のストーリー上で行われる会話のほとんどは、リヴィア署長や仕事仲間(Seedや探偵関連の住人)との業務連絡だけで終わる。
住人やヒロイン候補は多いのに、大半のキャラが全くストーリーに絡んでこない。
当然サブイベでのキャラ掘り下げがあるとは思うけど、リヴィア署長とスカーレット・プリシラ・ルーシー・テリー・セシル以外の住人キャラがほとんどメインストーリーに絡んでこなかったので驚いた。
「ルンファク5のメインヒロインは誰か?」と聞かれればストーリー展開的には間違いなくリヴィア署長(※結婚は不可能)だろう。
結婚不可能バグがひどいのはいつものこととして、問題はリヴィア署長以外のキャラの存在感が薄いことだ。
このへんはある意味セルザがメインヒロインだったルンファク4と近いけど、せっかく魅力的なキャラが多いんだから、もっと上手くキャラを活かしたストーリーにしてほしかったな…と思う。
もちろん、ルンファクはサブイベントでキャラの掘り下げを行うゲームなので、どうしてもメインストーリーにおける各キャラの印象が薄くなってしまうことは分かっている。
でも、久々に見ると「こんなに雑だったっけ…?」と感じてしまってちょっと厳しい。
ボリューム不足というわけじゃなくて、ただただ味気無さを感じた。
街に突然やってきて身分を隠しながら生活しているお姫様と騎士、記憶喪失で手品が上手い住人、やたら鍵開けが得意な建築見習いなど、訳ありキャラ自体はいっぱい居るけれど、全員ほとんどストーリーには絡んでこない悲しさ…。
プレイ前は全員、ストーリーにがっつり絡むだろうと考えていたから悪い意味で予想を裏切られてしまった。
※後者二人(ルーカスとリュカ)は一応ストーリーに絡んだけど「ストーリー進行を助けたら深い事情は話さずに出番終了」といわんばかりの流れであっさり終わった。
せっかく個性的なキャラがたくさん居るのに、メインストーリーで活躍したり関わったりするキャラはほんの一部。
感動するとか笑えるとか、そういう感情を大きく動かすような演出も特に無い。
シリーズ復活直後ということで無難なストーリーを目指したんだろうけど、印象に残る場面が少なくて残念。
全体的にひねりの無いありがちなストーリーだし、個人的には最後の最後で「ルーカス」の意味不明な「力」がストーリーに関わってきたのが最悪だった。
※ルーカス=記憶喪失の住人に関しては、ストーリーへの絡み方が悪い意味で唐突すぎたので後の「不満3:ルーカス~」項で言及あり。
王道ストーリーにするならもうちょっと演出にこだわって熱い展開を入れて欲しい!
(ルーカスというストーリー展開の穴を埋めるために急造したようなキャラが出てくる時点でどう頑張っても厳しそうではあるけど…)
◆不満2:キャラの描写不足や急展開が目立つ。
さて、メインストーリーだけを一気に進める場合、ダンジョンで敵を倒す→リヴィア署長に報告→他のキャラやNPCと話す→ダンジョンで敵を~のループが最後まで続く。
会話に混ざるのはそれこそリヴィア署長と前述した5人のキャラがメインだ。
「正義の組織が抱える闇を内側から正して世界も救う」という王道展開なのは良いけど、メインストーリー上ではキャラクターがストーリー進行のための駒でしかない雰囲気が強すぎて素直に感動できなかった。
★たとえば「準ラスボス(Seedのリーダー・ガンドアージュ)が最後に主人公とリヴィアをかばって死ぬ」という一見感動できそうな展開はあったものの、そこに至るまでの接点があまりに少なく、さらにガンドアージュの内面を知る機会も全く無かったせいで一切感動できなかった。
ガンドアージュの境遇をようやく彼自身の口から聞けた直後にすぐ死ぬから、感情移入する隙が全然ない。
このへんはガンドアージュ側のエピソードや内面の描写をしてから主人公をかばう展開になっていたらまた違ったと思う。
「一方、そのころ…」みたいなかんじの敵側の内情を深掘りする描写や、敵側の過去の回想(どうして弱さを抱えてしまったか&歪んだ正義を抱くまでに至ったかなど)があったら感動できたかもしれない。
最終決戦直前に口だけでペラペラ真意や思いを喋り、直後に主人公をかばって急に死なれてもなぁ…というのが個人的な感想だ。
- RPGでよくある「主人公の身近な人が実は敵役!」「敵にも深い事情があって~」パターンは、ありがちだけど意外とよく考えられた手法なんだなということをルンファク5で学んだ。
ルンファク5のようにたまに顔を出すだけのキャラが裏切って敵役になったり死んだりしても、プレイヤーは置いてけぼりになるだけで全然面白くない…。
ガンドアージュについては、リヴィア署長のサブイベントをやったら過去の思い出話が出てこないかとこっそり期待している。
(何かしらのサブイベントで補足や掘り下げがあれば評価も大きく変わりそう)
★あと、ラスボス戦で「闇を司るラスボスに主人公の体が乗っ取られる」→「神(ルーカス)の力でリグバースの皆と交信し、声援を受けて正気に戻る」という急展開があったのもプレイヤーを置いてけぼりにしている感が強かった。
この展開については「リヴィア署長(古神竜)のふりしぼった力でリグバースの皆と交信し、声援を受けて正気に戻る」という展開だったらまだ受け入れられたかも。
自分はとりあえず戦闘と農業を楽しみながらメインストーリーだけ追っていたので、いきなり神の力(笑)でリグバースの住人と交信し始めた後、温かな声援を受けて正気に戻る展開には正直ついていけなかった…。
メインストーリーだけどんどん進めている場合、さほど関わりも無かった住人からいきなり親友のような距離感で声をかけられることになってしまいびっくりする。
(サブイベントを十分やりこんで、全住人と仲良くなった後にクリアした人は感動できるのかも…?)
◆不満3:ルーカスが便利キャラすぎる(本題)。
まず、ルーカスに関する不満がなければこの長文感想記事を書いていないだろう、と確信を持てるぐらいには強く不満をもっている部分だということを最初に告白しておく。
本当に…ルーカスのストーリーへの絡み方がいくらなんでも雑すぎるのでちょっとぼやきたい!!
※一応説明しておくと、記憶喪失の住人(ルーカス)は、ルンファク5のストーリー終盤で重要な役目を果たすキーパーソンだ。
ただ、その役目が突拍子もない役目すぎて受け入れるのが難しい。
- 「ストーリー途中からいきなり記憶喪失状態で住人になる」
- 「ある日突然[神]を自称し始める」
- 「記憶を思い出すためにダンジョン内で雷を受けた後、少し記憶を取り戻す([神の力]も使えるようになる)」
- 「警備が厳重な天空の城に忍びこむため、ルーカスの[神の力]を使う」
- 「ルーカスが作った瞬間移動用転移ゲートで厳重な警備を潜り抜けて天空の城に楽々潜入」
上記のストーリー展開はさすがにどうかと思った。
たぶんプレイしていない人だと何を言っているか分からないだろう。
プレイしていてもこの展開は無理やりすぎて疑問しか残らなかった!
ご都合主義のストーリー展開自体はルンファクでよくあることなんだけど、ここまであからさまにやられると萎える。
- ストーリーの穴は「古神竜」や「アースマイト」という都合の良い言葉で埋めて解決する展開の方がルンファクらしかったと思う。
唐突に出てきた「神」という言葉が一気にストーリーの雰囲気をぶち壊したので、正直かなり冷めてしまった…。
牧場物語シリーズまで遡れば「女神様」という神様が存在するものの、ルンファクシリーズでは今まで絶対的な存在として「竜」や「アースマイト」しか出てきていなかったのに、ここに来て「神」という存在が出てくるとは予想できなかった。
メインストーリー内で事前に伏線がはられていたわけでもない「神」というワードや、「神の力」に関する説明不足のせいで終盤はルーカスがストーリーに関わってくる度にげんなりした。
ルーカスに関しては「実は記憶をなくしていた凄腕魔術師で、Seed城の厳重な警戒を破りこっそり魔術で瞬間移動させてくれた」「アレスに魔法で皆の声や映像を届けてくれた」みたいな展開の方がまだ納得できたと思う…。
実際に神であるかどうかはさておき、都合の良すぎる「神」と「神の力」をストーリーに絡めた結果、安っぽさを感じる展開になった気がする。
- 自分はルーカス推しのプレイヤーじゃないので、ぽっと出のよく分からないキャラ(ストーリー内での言及ほぼなし)の「神の力」で準ラスボスやラスボスの根城に移動させてもらうという展開は正直つまらないな~…と感じた。
- 途中から出てきたうえに記憶喪失設定が主人公とかぶっているのもルーカスを受け入れにくかった原因だ。
ルーカスのサブイベントをこなし、彼の事情&背景&設定まで把握したうえでストーリーを進行すれば感動できるのかもしれない。
でも、ルーカスのサブイベを一切やらずにストーリーだけ追っていた身からすると、終盤は「さすがにご都合主義すぎる…」としか思えなかった。
ご都合主義でも面白かったり感動できる展開なら良いんだけど、トラブルに対する解決方法を考えるのが面倒になって適当な設定を後付けした感がひどい。
もっとルーンファクトリーらしい納得のいくご都合主義展開にしてほしかった!
◆反省と謝罪
※ここまで散々ストーリーについてぼやいてしまったけど、ゲーム全体としてはルンファクシリーズの雰囲気を上手く詰め込んだ作品になっているからルンファクファンにオススメの最新作だ。
そもそもルンファクのメインコンテンツはギャルゲーと戦闘と農業と生産とスキル上げだから、ストーリーについてあれこれ言及すること自体が間違いだと自分でも思う。
でも、安易に「神」「神の力」といった流行りの言葉を取り入れる雑な展開に遭遇し、どうしても一言言いたくてこの長文記事を書いてしまった。
本当にごめんなさい。
「竜」や「アースマイト」のよく分からない力で色々な問題を脳筋解決していくのがルーンファクトリーだと思ってたから、5の終盤の急展開には正直ついていけなかった。
過去作から年数が経ったので、自分の感じ方や見る部分が大きく変わってしまったのもあるだろうけど、過去のルンファクのように清々しいクリア感は無い。
- ルーカスの「神」設定さえ出てこなければ、「ルンファクらしい良いストーリーだった!」という感想で楽しくクリアできていた気がする…。
一応、まだまだサブイベと恋愛&結婚イベントが残ってるから、サブイベを通してメインストーリーの裏側にあった設定を確かめてみようと考えている。
もしサブイベを見てメインストーリーに対する感想が180度変わったら追記したい。
なんだかんだ言いながら、ストーリー終盤以外の部分はかなり楽しめているので良ゲーだと思う。
(※シリーズプレイ歴は1/2/3/4/オーシャンズなので評価基準が若干甘いかも)
- シリーズ初心者の人は先にルンファク4SPをやってからルンファク5に手を出すのがオススメ。
初見でファンの好評だけ聞いてルンファク5に触るとかなりガッカリするはず。 - ファンでも一度死んでから奇跡的に蘇った経緯が無かったら酷評していた人の方が多そう。
カクカク感がやばすぎることとグラフィックの古さについては擁護しきれない。
※立ち絵&農業削除が原因で酷評されたオーシャンズ(PS3)は3Dゲームとして結構出来が良かったんだなと再評価するくらい、5の戦闘時のカクカク感はやばい。
ゲームが面白いから気にならないけど、戦闘やグラフィックの質だけ見るとPSPやPS2を遊んでいる気分になるクオリティだと言われるのも分かる。 - ルンファク5は、ゲームとしてのルーンファクトリーが好きな人には間違いなくオススメ。
(オリーブタウンのようにシリーズを揺るがすレベルの改悪は起きていないので安心!) - ルンファクシリーズのファンは全員今すぐルンファク5を買って、ルンファク6が出るよう一緒にお祈りしよう!